【まとめ】抗うつ薬およびうつ病治療に使用される薬剤

【まとめ】抗うつ薬およびうつ病治療に使用される薬剤

このページではうつ病治療における薬剤療法の方法をガイドラインに沿って紹介しています。通販や個人輸入で使用される場合は、医者の指示にしたがってご使用ください。

■軽症うつ薬物療法

  •  薬物療法は過去に抗うつ薬に良好な反応が得られたこと、羅病期間が長期であること、睡眠や食欲の障害が重い、焦燥がある、維持療法が予想される場合に行うことが推奨されるこれらを満たさない場合でも、患者の希望があれば検討する。
  •  抗うつ薬の薬剤間における治療効果の差はわずかであり、どの薬剤から開始してもよいが、忍容性の面からはSSRI、ミタルザピン、SNRIなどの新規打つ約の使用が推奨される。
  •  スルピリドの使用も検討される余地があるが、アカシジアや遅発性ジスキネジアなどを発現する恐れがあるほか、特に高齢者や女性、小児に使用する場合にはパーキンソン症候群や高プロラクチン血症などの副作用にも注意が必要である。
  •  抗うつ薬以外の薬剤としてBZDベンゾジアゼピン系抗不安薬の抗うつ薬への併用が治療初期には抗うつ薬単剤よりも治療効果が高いことが示されている。
  •  ゾルピデム、エスゾピクロンなどベンゾジアゼピン受容体作動薬を中心とした睡眠薬についても、抗うつ薬との併用で改善効果が報告されている。

■中等症・重症うつ病(精神病性の特徴を伴わないもの)

  • 急性期における薬物療法の要点
    1. 抗うつ薬を低用量から開始
    2. 有害作用に注意しながら速やかに増量
    3. 十分な最終投与量を投与 十分期間効果判定を待つ
  • 寛解維持期における薬物療法の要点
    1. 十分な継続療法、維持療法を行う
    2.  薬物療法の終結を急ぎすぎない
    3.  一種類の抗うつ薬使用が基本で、合理性の無い多剤投与は行わないベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)を併用する場合は必要最低限とし、常用依量依存に注意する

うつ病治療では下記のような薬剤が一般的に使用されています。

■抗うつ薬、うつ病治療で使用される薬剤一覧

薬効分類代表的な薬剤名英語名成分・一般名(一般名英語)通信販売リンク
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)パキシルPaxilパロキセチン塩酸塩水和物Paroxetine
Hydrochloride
Hydrate
[パキシルジェネリック]パロキセチン(Paroxetine)40mg
パキシルPaxilパロキセチン塩酸塩水和物Paroxetine
Hydrochloride
Hydrate
[パキシルジェネリック]パロキセチン(Paroxetine)20mg
ジェイゾロフトJZOLOFT塩酸セルトラリンsertraline
hydrochloride
[ゾロフトジェネリック]セルタ(Serta)50mg
ジェイゾロフトJZOLOFT塩酸セルトラリンsertraline
hydrochloride
[ジェイゾロフトジェネリック]セルタファイン(Sertafine)50mg
デプロメールDEPROMEL フルボキサミンマレイン酸塩Fluvoxamine
Maleate
フルボキサミン50mg(Fluvoxamin50mg)
ルボックスLuvoxフルボキサミンマレイン酸塩Fluvoxamine
Maleate
フルボキサミン50mg(Fluvoxamin50mg)
レクサプロLEXAPROエスシタロプラムシュウ酸塩Escitalopram
Oxalate
レクサプロジェネリック10mg28錠
レクサプロLEXAPROエスシタロプラムシュウ酸塩Escitalopram
Oxalate
シプラレックス(Cipralex)10mg
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)トレドミンToledomin ミルナシプランMilnacipran
hydrochloride
[トレドミンジェネリック]ミルザ(Milza)25mg
サインバルタCymbaltaデュロキセチンDuloxetine
Hydrochloride
サインバルタ(Cymbalta)30mg
イフェクサーEFFEXORベンラファキシン塩酸塩Venlafaxine
Hydrochloride
[イフェクサーSRジェネリック]ベネジスXR(VenegisXR)75mg
NaSSA (ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)レメロンREMERONミルタザピンMirtazapineレメロンジェネリック(Redepra)15mg
リフレックスREFLEXミルタザピンMirtazapineレメロンジェネリック(Redepra)15mg
非定型抗精神病約エビリファイABILIFYアリピプラゾールAripiprazoleエビリファイジェネリック(Asprito)15mg
セロクエルSeroquelクエチアピンフマル酸塩Quetiapine
Fumarate
[セロクエルジェネリック]クエチアピンアクタビス(QuetiapineActavis)100mg
ジプレキサOlanzapineオランザピンOlanzapineジプレキサ ジェネリック(Oliza)10mg
リスパダールrisperidoneリスペリドンrisperidone[リスパダールジェネリック]リスコン(Riscon)2mg
ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害薬 NDRIウェルブトリンWellbutrinブプロピオンBupropionブプロピオン150mg(Buproban)
セロトニン作動性抗不安薬セディールSedielタンドスピロンクエン酸塩Tandospirone
Citrate
セディール(Sediel)10mg
TCA_三環系抗うつ薬イミドール IMIDOLイミプラミン塩酸塩Imipramine
hydrochloride
トフラニール Tofranilイミプラミン塩酸塩Imipramine
hydrochloride
トリプタノールTRYPTANOLアミトリプチリン塩酸塩Amitriptyline
Hydrochloride
アナフラニールANAFRANILクロミプラミン塩酸塩Clomipramine
Hydrochloride
アナフラニールジェネリック(Clofranil)50mg
アモキサンAMOXAN アモキサピンAmoxapineアモキサンジェネリック(成分アモキサピン)100mg
四環系抗うつ剤テトラミドTetramideミアンセリン塩酸塩Mianserin
Hydrochloride
トルボン30mg(ミアンセリン)

■治療法ごとのエビデンス

  • 新規うつ薬(SSRI/SNRI/ミタルザピン)
    • 国内臨床試験の結果をあわせて慎重に解釈すれば、このクラスの書く薬物間に有効性、忍養成の両面で臨床的に明確な優劣の差は無い。
    •  新規うつ薬はTCAに比べて抗コリン性有害作用、心・循環器系有害作用は軽減しており、忍容性に優れているという考え方が主流。
    • 中等症や重症の一部はこのクラスから開始することが一般的。
  •  TCA/non-TCA
    • 自殺念慮のある症例にTCAを外来処方する場合は特に注意が必要
    •  軽症から中等症のRCTでは新規抗うつ薬とTCAの有効性に差は無いという結果になるが、緊急入院を要する重症例ではTCAが有効性に勝るのではないかという専門家の意見がある。
  • ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)の併用
    •  抗うつ薬とBZDの併用は治療初期4週までは脱落率を低下させるなどの有用性がある。
    •  中等症以上では不安、焦燥、不眠への対処にBZDが必要となることが多い。
  •  抗うつ薬の変更
    • 異なるクラスの抗うつ薬への変更については同じクラスに変更しても別のクラスに変更しても、有用性に差は無いという総説がある。
  •  抗うつ効果増強療法
    •  リチウム(Lithium:Li)
    •  リチウムの抗うつ効果増強作用10本中8本のRCTで支持されている。
    •  Li併用による再発予防効果示すメタ解析がある
    •  Liの増強効果はTCAで発揮されSSRI/SNRIでは発揮されにくいという報告がある。
    •  SSRIとの併用ではセロトニン症候群が起こりやすいという指摘がある
  •  T3/T4(triiodothyronine/levothyroxine)
    •  TCAに対するT3/T4による増強効果は6本中5本のRTで支持されている。即効性が期待できる半面、SSRIをT3/T4で増強すると焦燥感や不眠が悪化することがあるので注意が必要。
    •  一般にLiやT3/T4の増強効果に反論は少なく、十分なえび伝巣があると紹介されることが多い。しかしLiとT3/T4の増強に関して行われた試験はTCAが主剤であることが圧倒的であることに留意しておきたい。
  •  ラモトリギン、バルプロ酸、カルバマゼピン
    •  急性単極性うつ病において、ラモトリギンによるパロキセチンへの増強効果を調べたRCTがある。
    •  増強薬物としてすでにラモトリギンを位置づけている海外のガイドラインもあるが、現時点では検証は十分とはいえない。
    • 十分な検証を受けているとは言いがたいが、バルプロ酸やカルバマゼピンも増強療法に用いられる可能性がある
  • 非定型抗精神病薬
  •  AAPによる新規抗うつ薬の増強は精神病症状が確認できない奨励でも増強効果が得られることがあり、一定の評価を受けている。
    •  アリピプラゾール
      •  有効性を支持する三本のRCTでは反応率において有意差が認められた。
    •  クエアチピン
      •  増強効果を指示するRCTが二本ある。
    •  オランザピン
      •  オランザピンの増強効果はOFC(オランザピンとFLUOXETINEの合剤)に関する4本のRCTで検証されているが、FLUOXETINE以外の新規抗うつ薬にどの程度一般化できるかは不明。
    • リスペリドン
      •  併用期間が4―6週間の短期RCTがある。先行する抗うつ薬治療に反応しない症例をリスペリドン併用郡とプラセボ併用郡に無作為に割り付けた。リスペリドンの併用により反応率が有意に改善した。

■第一選択薬は新規うつ薬(SSRI,SNRI,ミタルザピン)だが、使い分けは明示されていない

  •  米国精神医学協会のうつ病治療ガイドラインでは、ほとんどのうつ病患者にはSSRI,SNRI,ミタルザピンが第一選択薬として適しているとしている。
  •  一方でそれ以上の詳細な使い分けは明示していない
  •  うつ病治療において最適な第一選択薬、治療的候性患者に対する第二選択薬を選ぶべきか、補助療法薬などを明確に示しているガイドラインは無い。
  •  その為、通常は大まかなガイドラインに基づき治療医の主観で治療薬を選択し、投与した結果効果不十分、副作用などのトライアンドエラーを繰り返し、適切な治療薬にたどり着くのが一般的。

■三環系は入院患者に効果的だが、副作用が多い

  • 三環系とSSRIの有効性を、用量、重症度、年齢などで比較しても、その差は無かった。
  • 一方で副作用についてはほとんどすべての項目で三環系打つ役の脱落率が高い
  •  入院患者では三環系うつ薬が有意に効果的。

■その他参考事項

  • 女性は男性に比べて不安や非定型な症状が多い傾向があり、このような特徴にパロキセチンが効果的なのかもしれない
  • 治療開始二週間後ではSSRI,SNRIに比べてミタルザピンによる治療を受けた患者にresponderが有意に多い。
  • SSRIは嘔吐・胃部不快感、睡眠障害などが有意に多かったのに対し、ミタルザピンは体重増加・食欲亢進、眠気などが多い。
  • ミタルザピンは概して、睡眠障害、食欲不振の改善効果と表裏一体の眠気や過鎮静や食欲亢進・体重増加などの発言率が高い
  • 精神病性の特徴を伴ううつ病におけるフルボサミン単剤治療が有意に効果的であることが報告されている

■うつ病治療における併用療法

  • 合理的な併用療法として、ミタルザピンとSSRI,SNRIとのコンビネーションが、第一選択薬での無効例に推奨されている。

SSRI治療失敗後の補充療法における薬剤の効果と忍容性
効果・忍容性ともAが最高でDが最低

組み合わせ薬剤効果忍容性
リチウムlithiumA-B-
トリヨードサイロニンtriiodothyronine(T3)AB+
非定型抗精神病薬atypical antipsychoticsAC
ミルタザピンMirtazapineB-A
トラゾドンTCA, TRAZODONEC+B-
ブプロピオンBupuropionB-A
モダフィニルModafinilBA
オメガ3脂肪酸Omega-3 fatty acidsB-A
葉酸FolateBA
ブスピロンBuspironeDA-
S-アデノシルメチオニンS-adenosylmethionineBA

■第一選択薬無効・治療抵抗性(TRD)における薬剤選択

  • 非定型抗精神病薬、リチウム、ミタルザピンの補充療法が有効、ただし、副作用とのトレードオフを考える
    • 葉酸やオメガ3脂肪酸;効果はマイルドだが副作用も少ない
    •  SSRIクラス内切り替えも有効

SSRI治療失敗後のスイッチングにおける薬剤の効果と忍容性
効果・忍容性ともAが最高でDが最低

スイッチング薬剤効果忍容性
三環系抗うつ薬TCAA-B
モノアミン酸化酵素阻害薬MAOIAC
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬SNRIAB+
ミルタザピンMitazapineAB
ブプロピオンBupropionBA
選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIBA

■うつ病における薬物療法の注意点

  •  抗うつ薬を使用する場合には、副作用に注意し、少量から漸増することを原則にする。
  •  抗うつ薬治療中は、双極性障害の可能性を再検討する姿勢が必要
  •  抗うつ薬の副作用で、併存身体疾患の悪化が起きる可能性に注意が必要。たとえば一部の抗うつ薬は食欲を亢進させることにより、肥満や糖尿病の悪化につながりうる
  •  アミトリブリチン、トラゾドン、ミタルザピンなどは、睡眠を改善させ、鎮静的な副作用のものがある一歩で、SSRI,SNRIなどのように睡眠状態の悪化を招く可能性がある。
  •  ベンゾジアゼピン受容体作動性(BZD系)の睡眠薬の中で、うつ病の不眠への効果が示されているのは、ゾルビデム、エスゾピクロンである。

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